心を軽くする方法~鉄心blog

心理学で心を軽くする方法。心理学で心をひも解き、相手も自分も理解しあう事が出来る。【心理研究家】佐屋鉄心

認知行動療法

自動思考とスキーマの修正

自動思考とスキーマの修正

認知行動療法では、自動思考とスキーマの修正も行います。
自動思考とは、「物事に対して感じた瞬間的なイメージ」です。また、スキーマは「自動思考を決定付ける自己のルール」のことです。
自動思考はスキーマが元になっていて相互で情報を交換しているともいえます。
認知行動療法は段階的に自身の変化を促して行きます。
スキーマを修正すれば自動思考が修正されるのでは?と思われるかもしれませんが、根本にあるスキーマは簡単には変える事が出来ず、むしろ変える事による弊害が起こる場合もあるので、表層に近い部分から修正を行っていきます。

では、自動思考とスキーマの修正に関して書いていきたいと思います。
まずは自動思考の修正から。
自動思考は無意識的に現れます。クセとも言っていいと思います。
例えば、仕事を失敗して上司に怒られているシチュエーションで『自分は悪くない指示が悪いんだ』と瞬間的にイメージしたとしましょう。ちなみに感情は怒りなどになると思います。
では自動思考が怒りを生んでいるのですから、怒りを覚えないための自動思考はどのようなものが必要でしょうか。
この場合だと、指示が本当に悪かったのかを検証してみましょう。
いつも通りの指示でいつも通りの結果だったのでしょうか?
又は、いつもとは違っていたのでしょうか?
様々な観点で考えて行きます。
そうして指示が本当に悪かったのかどうかを考えたら、次は自分が悪かったのかを考えます。
いつもと違う事をしていないか?
指示を勘違いしていなかったか?
考えた結果、自分が悪くなく指示が悪かったと最初に思った通りの事実であれば、本来怒られなくていいことで怒られているのですから、相手に事実を伝えることがスマートな方法です。
怒りを覚えるまでも無く、事実に則った結果にすることが出来ます。(自分が正しいのに言えないというケースもありますが、また別の自動思考になってしまうのでここでは割愛します。)
又は、最初の自動思考とは事実が違った場合(自分が勘違いをしていた。指示はあっていたなど)は事実と自動思考が違っていたのですから、自動思考を変えるのが得策です。
では、自動思考を変えるには何故その自動思考が出たのかを考える事が必要です。
『自分は悪くない指示が悪いんだ』と思ったのは、他者を否定する事による自己正当化をしようとしているからです。
自己防衛でもあります。
自分が間違っていると認めると、自分はダメな人間だと思ってしまいマイナスな感情になるのを回避するための自動思考だと考えられます。
この場合は、事実を認め自分の非を反省する事で自動思考への対処となります。
相手のせいにするのではなく、また自己否定ではなく自己改善をするという自動思考をもてるように意識する事が自動思考の変化となります。
ここまで考えるようになると、その時の感情はマイナスになるかもしれませんが、後からその感情が間違っていると気が付くと、気持ちも楽になります。
自動思考の変化を意識するとマイナスな感情を薄める事が出来るのです。

次にスキーマに関しても考えてみましょう。
上記の場合、『自分は悪くない、指示が悪いんだ』と思った原因のスキーマはどのようなものが考えられるでしょうか。
他者を否定する事による自己正当化だったとすると、その裏には『自分は正しくなければならない』という思いがあります。
これがスキーマです。
『自分は正しくなければならない』ということでメリットやデメリットが発生します。
メリットは正しい行いをしようと誠実な言動を心がけるところでしょうか。
悪い部分は上記のように他人のせいなどにしてしまうことでしょうか。
それぞれ良いところ悪いところがあります。
では、このスキーマを問題のない状態にするにはなにを変える事が必要でしょうか。
『自分は正しくなければならない』を逆にして『自分は間違っている』にしてしまうとまた違う問題が発生します。
このようなスキーマの修正は好ましくありません。
良い方法の一例としては、『自分は正しくなければならない。でも人にとって正しいかどうかはそれぞれ』というように、スキーマにプラスしてみる事もいいと思います。

このように自動思考もスキーマも入れ替えるのではなく、修正を行うことが大切です。





自分がどうなりたいかをはっきりさせる事が大切

認知行動療法は認知の歪みの修正を行い、生きやすい考え方や捉え方を身につけるものです。
ですが、生きやすい考え方や捉え方というのは人それぞれで、「絶対にこれが正しい!」というものは在りません
人それぞれベストな考え方や捉え方があり、認知行動療法はそのゴールに導くためのツールといっても良いでしょう。

認知行動療法で上手くいかないケースとして、ゴールが定まっていない場合があります。
これは、自分がどうなりたいかがはっきりと決まっていないケースです。
頭の中がごちゃごちゃしていて、よく分からないという方が多いように思います。
しかし、自分がどうなりたいかというのは本来誰しも持っているものです。
むしろ、自分がどうなりたいかが無い人は悩みを持ちません。
そういう方は自分が空っぽですので、ただ外部からの感情や思考が入ってくるだけで、そこに問題を発生させません。
逆に言うと、悩みを持つケースは、入ってきたものが自分と違うから問題となります。
自分と違うという事は自分がどうなりたいか、自分がどうしたいかを持っているということです。
自分がどうなりたいかが決まっていないというのは、思考が無意識的に自分を押さえ込んでいることがほとんどで、それに気が付かないように思考が仕向けています。
「やりたい事が見つからない」、「自分が分からない」と言う方は実は無意識的に我慢をしているということです。

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では、自分がどうなりたいかをはっきりさせるにはどうしたら良いでしょうか。
まずは、自分の感情がなにを基準に起伏を持つのかを知ることが第一歩です。
例えば、
「人に対して言いたい事が言えない。でも、言いたい事を言うのは失礼でよくないことだから我慢しよう。うまく言わなくてもすむ方法を考えよう」
という人がいるとしましょう。
まず、「人に対して言いたいことがいえない」というのは『本当は自分の意見を言いたい』という自分がどうなりたいかが存在します。
ですが、「言いたい事を言うのは失礼」という思考が邪魔をして我慢するという方法をとっています。
ただし、我慢だけだと解決にはならないので「言わなくてもすむ方法を考える」となっています。
これでは、本来自分がなりたい自分を押し殺して全く別の方法を模索しようとしています。
ですが、それは本心ではないので良い方法とはなりません。
出発点の時点で矛盾しているからです。

このように自分の感情と思考が不一致だと自分がどうなりたいかが分からなくなってしまいます。
なので、これを解決するには最初に立ち返る事が大切です。
上の例ですと、「人に対して言いたい事が言えない」という部分です。
人に言いたい事があるというのは人として当然です。
集団の中で自己を保とうとするのは自然なことです。その方法として自己主張をするというのもまた自然なことです。
そして、それが受け入れられれば人は満足感を得ます。
それは、生きていれば自然に欲しいと思う欲求です。
なので、「人に言いたい事がある」のは問題がありません。
次に「言いたい事を言うのは失礼」というのも、相手を気遣うというごく自然なことです。
コミュニケーションをとる上で、相手の気持ちをないがしろにするという事は、本当の意味でのコミュニケーションではありません。
相手と自分がイーブンでこそ意思の疎通がはかれます。
こちらも正しい考え方という事です。
「人に言いたい事がある」と「言いたい事を言うのは失礼」はどちらも正しいという事です。
先ほどの例では、「言いたい事を言うのは失礼」という思考を優先して、本来自分がなりたいものを否定しています。結果「うまく言わなくてもすむ方法を考えよう」となっています。
これが無意識的に起こっていると、それぞれのプロセスを見過ごして、自分がどうなりたいのか分からないという状態になってしまいます。
これが、自分がどうなりたいかがはっきりしていない時のケースです。

自分がどうなりたいかをはっきりさせるためには、感情がどういっているのか?思考がどういっているのか?を考える事が必要です。
ほとんどの場合、本来なりたい自分というのは感情が言っていることです。
まずは、感情が言っている本来なりたい自分を意識する事がゴールをはっきりさせる第一歩です。

 

認知行動療法を自分で身に付ける

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認知行動療法の最大の利点は、実施をしていくうちに自分で考える方法が身に付いていくというところです。

認知行動療法の考え方がクセになっていくんですね。

これは、人生に大きな影響を与えます。


認知の歪みというのは誰しも持っていて、無意識的に表面化します。

その認知の歪みが自分にとって問題のないものならいいのですが、 マイナスな感情になっている場合は対処が必要です。

その時、自分で正しい対処方法が身に付いていれば、感情も改善することが出来ます。

認知行動療法はその時の表面的な対処を目的とはしていません。

段階を踏む過程で、感情を和らげる対処などはしますのが、最終目標は自分で自分の悩みを改善することです。

どんな事もそうですが、最初から素晴らしい力を身につける事は難しいことです。

プロ野球選手になりたいと思ったときに、いきなり150キロの球速を出す事は難しいことです。

時間をかけて練習し、鍛錬と継続をしていかなければいけません。

150キロの球速を出すには才能が必要かもしれませんが、認知行動療法を身につける事はほとんどの方が可能です。

ゆっくり考える事さえ止めなければ自分にとっての答えは必ずあるからです。

認知行動療法を受けている方で、どうしても考えるのがつらいという方もいます。

そんな時は、一度認知行動療法を離れる事もいいですし、表面的な対処でとどめる事も必要です。

自分のペースで自分なりに行ってこそ、その人の力になります。

自分に対して諦めず、蔑まず、否定せずが認知行動療法では大切なことです。 

マイナスな感情が出るプロセスをひも解く

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認知行動療法で一番の効果は、悩みを解決に導く方法を習得できるというところです。

言い換えると、問題を解決する方程式を身につけることが認知行動療法の目的ともいえます。

そのために、マイナス感情を抱いた具体的な出来事に対して、そのプロセスを考えていくという作業を行います。

出来れば、最初は簡単な出来事から始めるのが良いでしょう。

例えば、 自慢話ばかりの友人がいたとしましょう。

あなたはその友人の自慢話にうんざりしながらも付き合って聞いています。

ですが気持ちはモヤモヤしています。

このシチュエーションで感情が抱かれるプロセスを考えて行きましょう。

感情はモヤモヤです。言い換えれば嫌悪感でしょうか。

では、 嫌悪感が出る理由はなんでしょうか?

自慢話しばかりだから、嫌悪感が出ています。

では、自慢話しを聞いてなぜ嫌悪感が出るのでしょう?

自慢話しは楽しい話ではないからですね。

では、なぜ自慢話しは楽しくないのでしょうか?

自分が蔑まされているように聞こえるから?

相手の認証欲求を押し付けられていて相槌を打つのが嘘をついているようで申し訳ないから?

自分はこんな話しをしないから?

色々考えられると思います。

このようにいくつかのパターンが考えられる時は一つ一つ自分に確認をしていきます。

消去法で決めていく事もいいでしょう。

そうすると、自分の認知がどのようなものなのかが分かってきます。 

この場合、「 自分が蔑まされているように聞こえるから」だったとすると、そこには無意識に相手と自分を比べるという認知のクセがあることがわかります。

では、その認知をどのように変えていけばを考えるというのが認知行動療法の最終段階になります。


自分の感情と向き合い、そのプロセスをひも解いていく事は重労働です。

一気に出来なくてもかまいません。時間がたって気が付くことや思いつくことが出てくる事もあります。

大切なのは「考える」ということです。

考えをめぐらせる時は何かに書きとめながらだと、後々で作業をしなおすことが出来ますので、書き留めるというクセもつけて行きたいですね。


認知行動療法で大事な事は、自分の感情と認知をしっかり理解することです。

そうすれば自ずと答えに行き着くことでしょう。 

マイナスな感情を薄める作業を行う

認知行動療法では、マイナスな感情が出るような事象に対して「反証」と言う作業を行います。
これは、マイナスな感情を薄める効果があります。

なぜそのような対処療法的なことを行うかというと、スキーマ(認知の歪み)を変化させていくためには感情と向き合う必要がありますが、その時のマイナスな感情というものは強い感情で、なかなか向き合うことが難しいことが多いからです。

そこでまずは、その感情やスキーマと向き合う前の前作業として、「反証」を行います。

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反証とは、「出来事に対して違う見方をしてみる」ということです。 

反証と言うと、自分を否定するようなイメージで受け取られる方もいらっしゃるのですが、自分の考えや感情を否定するということではありません。

自分が持っている考え方のほかに、いくつかの考え方や見かたをしてみるというイメージです。

例えば、テレビなどでよく見る、箱に手を入れて中になにがあるか当てるゲームで中にたわしが入っているとしましょう。反対側は中身が見えるようになっています。

実施者は箱の中身がわからず不安でいっぱいですが、視聴者は中身が たわしなので不安を感じません。

同じ事象に対して、見えてる角度が違うだけで感情がこんなにも変わります。

実施者が箱の反対側から見て、中身がたわしとわかれば、もう一度手を入れる時は不安がなくなります。

これと同じように、反証とは自分が見えていない角度から見た風景を想像し、不安を薄めるという事です。 

上記のゲームで言うと、実際に反対から見て確認する事だけではなく、反対から見ている人の反応からある程度箱の中身がわかります。

全員が笑っているようなら、危ないようなものではなく、自分の不安は見当違いということかもしれません。

全員がびっくりして悲鳴を上げているようなら、とんでもないものが箱の中にあるかもしれません。ですが、それも演技かもしれません。

このように、違う角度から推理をしたり予測をしてみることが反証です。

下記のサイトでは「コラム表」というツールで反証を行う見本を掲載しています。

コラム表

このように、「違う見かたをしてみる」という作業によって、感情が少しでも変化するという事を知ることが、認知行動療法の大切なところです。

 
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